がん-4000年の歴史- 再び語ります
今日は、変に蒸し暑くて、過ごしにくい1日でした。
この時間になって、体感では少し涼しいのですが、
温度計を見ると27℃になってます。
夏かよ…。
今は、前回読んだ本と同じくハヤカワノンフィクション文庫から出ている
☝これを読んでいます。
書店でタイトル見ただけで、面白そう!って手に取ったわけですが、
ちょっと迷いました。
こういうのって直感ですよね。
自分にとって、本当に興味深いか、否か。
今回、実は半分ぐらい気持ち «否» なんだけど、
これもこれで…
と読み進めています…。
冒険談としては面白いかも知れないけど、私には少し物足りない…。
専門的な知識や要素がもっと盛り込まれてあって、
少し難しい位の内容だと良かった。
そう考えると、以前読んだ「がん4000年の歴史」のが、
遥かに面白かったです。
なので今回は、2,3日前に書いて書きっぱなしだった、
「がん」の方の感想文をUPします。
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やっぱり、筆者のムカジー先生の本はいい。
他の医療系の本を今読んでいるけど改めてそう思った。
ムカジー先生は医師であり、がん研究者であり、インド人だ。
本の中身は、患者さんや、
新薬を開発する為尽力する人々の視点で書かれていて、
ごくたまにさりげなく、
『私は~…』というムカジー先生本人の目線での記述が
入るので、
こちらは(あれ? ≪私≫ って誰??)と、
一度立ち止まって改めて本の表紙の裏面を見たりした。
筆者の、自分があくまでも黒子に徹して物語を語るという、
謙虚な姿勢が好きだ。
この本の冒頭でカーラという女性が登場する。
彼女は、1か月以上も続く、ただ事ではない倦怠感、
頭痛、異常な身体症状に血液検査を進んで受ける。
あまりの事態に、検査技師も息を飲む。
採血管の中に取りだされた薄い色の液体は、
およそ血液とは似ても似つかないものだった…。
カーラは白血病にかかっていたのだった。
あまりに衝撃的な冒頭に、私はゾ~ッとして、ますます本に引き込まれていった。
カーラの身体の中では、
芽球という異常な白血球が充満していて、
他の血球を殺してしまったために、
貧血でカーラは倦怠感などを起こしていたのだ。
ふつう、白血球と言うのは、骨髄で適切な数、
成熟したものだけが血中にでてくる訳だが、
この病気では未成熟の変な白血球が無制限に血中にでてしまう。
本来、白血球は、ばい菌を殺すための毒を持っていて、
通常は適切に使われるのだが、
未熟な白血球は「正しい毒の使い方」がわからず、
むやみに放出しては、毒で体を内側から痛めつけてしまう。
何だか、ミステリーやホラーとも違った、
自分の身体の中で起こりうる異常事態
というものは、ヘンに恐ろしく感じる。
外からやって来るもの、も確かに怖いけど、
密かに自分の内側で侵攻している怖いものの方が、
よっぽど怖いのではないか、
そう思わずにはいられませんでした。